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【2024/05/04 21:43 】 |
マウント クック 一度 登ってみますか?

2007年1月に NZ南島にある QUEENS TOWN に行く途中  レイク ティカポに寄った時の事です。

 

ティカポと言う名前ですが、何か人を馬鹿にした様な感じがします。

実際に行って見ると、 氷河が溶ける際 青乳白色になりますが、なんとも 不思議なエメラルドグリーンの湖と、 その遥か後方に見える MTクックの勇姿にゾクッとさせられます。



 

 QUEENS  TOWN まで まだ 5時間近く走らないといけないので、早々に引き上げようとしたら、日本から合流した友人が、「序でにマウントクックに登っていきませんか?」 と言いました。

 

 彼は、新婚旅行も奥さんとNZに来ており、レイク テイカポに行く途中、レンタカーを山中に転がしてしまい 近隣農民に大変な迷惑をかけた武勇伝の持ち主です。

 

 私は好奇心が強く、何でも興味があって色々と経験したい方ですが、登山だけは知らないというより興味がありません。第一 高山病で頭がガンガン痛いところに、寒いというだけでひいてしまいます。

 日本にいるとき、何度か 標高1200M の 金剛山に登った経験はありますが、山頂に着くと 売店があって コーヒーや食事ができるようになっています。登山というより ちょっとしたハイキングという感じです。

 

 彼は、車を転がした経験がある分 私より多少NZに知識がありました。

まるで、隣のスーパーに野菜でも買いに行くような気軽さで言うので、マウントクックも山頂までケーブルーカーや、ロープーウエーがあって、上で暖かいコーヒーが飲める売店くらいあるのかな? 程度に考えていました。

 

 ただ、クックの麓まで テイカポから100キロありますし、仕事の合間のせわしない男の旅だったので、

その話には乗りませんでした。




マウントクックの話を続ける前に、ちょっと 登山について書かせて頂きます。

 

 (モンブラン)

マウント クックへ行ってから、7年経った2014年の正月。 

私は 例によって寝正月しながら 日本のバラエテイー番組を見ていました。

鑑定団、トリビア、仰天ニュース ロンブー などの名シーンが続々アップされており退屈しません。

 

中に、イモト アヤコが 行ってQ で、キリマンジャロ マッターホルン、アコンカグア、マナスルなど 世界の名峰を克服する番組があり、特に モンブラン登頂を見て、度肝を抜かれました。

 


 
(一生食べ続けたいほど大好物です。)

マロンが のったケーキの事をモンブランと言います。

 これは、モンブランの頂が ドーム状に平べったく、丁度 マロンを半分に切った デコレーションににているからです。


 私は、そこに、グランドでもあって 子供たちが サッカーや ドッジボールをして遊んでいるのかな? 程度に考えていました。

 ところが、実際は、高山病、落雷、酸欠、雪崩、クレバス (氷の裂け目で 大きいものは 100mの深さで口をあけています)など 危険と隣り合わせで、プロを含め毎年 40名近い登山家が命を落します。

 

 奈落の底の様な クレバスを 覗き込んだシーンや 下ではなく、横に流れるイカズチ、滑落すると下が見えない垂直斜面を見て、お笑い番組なのに、ゾクゾク ハラハラで息をのむシーンの連続でした。

 実際、一瞬の気の緩みが大事故につながります。

 私はオーストラリアに来てから 、ずっと自分で描いた目標に挑み 苦しみ続けてきましたが、このイモトの挑戦は、 と オーバーラップするところが多く、思わず感動してしまいました。

  登山が危険なのは ある程度まで想定内でしたが、これほど 厳しいとは 夢にもおもいませんでした。
もう、生きて帰れなくて当たり前という 世界です。
 
   
    ここに掲載できませんが、興味のある方は アップされており、「モンブラン」「いってQ) などKEY ワードを入れると最後まで見れます。
 生きる勇気と、負けるなという 気力が わいてきます。

(登坂能力)

 いってQ 登山部の 面々を 見ていると、アドバイザーが 40後半-60代。(シェルパーといわれる
案内人も多数雇われ、危険を極限まで下げていますが、) 一応 カメラマン スタッフ や デイレクターも同時に登頂を果たしています。

 それに、三浦雄一郎氏の80歳、最高齢エベレスト登頂成功だけみると、登山というのは、身体能力より 寧ろ 経験と根性 高所適応能力だけで素質など ないのか? と 思ってしまいます。



 ところが 次の映像ご覧下さい。現在 世界 NO1と される スイス人 アルピニスト Ueli Steck (ウエリー シュッテク)の 登山シーンです。

これは、人間技ではありません。極めて類人猿に近い身体能力です。

 私は、最初 映像に不自然な部分があり、 プレステ 4 の プロモーションビデオかなと 思いました。
ところが、色々調べたところ 彼が アイガー北壁 (通常 隊を組んで 50時間は 最低かかります。 今まで 60人が挑戦して 30名 が 滑落死 しています。) を 単独 ハーケン無し ザイル無し 2時間47分 33秒 ( 2008年2月13日 )  で登頂したときの世界記録 公認映像である事がわかりました。

丸で 岩場を 猛スピードで走るクモの様です。 山頂付近では もう 全力疾走していますし。(笑)
とにかく 考えられないです。 是非 ご覧になって下さい。








彼は マッターホルン北壁、シュミッド・ルート  通常 10時間以上を たったの 1時間56分 ( 2009年1月13日 )で 登っています。それから、 一番難易度の 高い アンナプルナ 南壁も 遭難者を助けたあと 軽々と 登頂しています。

 

 

 

(山の危険)  

ネットは、 新聞や、地上波に比べると 規制が緩く、過激な記事も写真付きで掲載されています。登山の本当の過酷さがよくわかります。

 たとえば エベレスト他 K2 ダウラギリ アンナプルナなど 危険と言われる山は 何が道標かご存知ですか? 

 

過去の遭難遺体です。 (赤いジャンパーにきたら 上に進路を変えろ。といった具合です。)

まさか? ですよね。

 

高度 5000mを超えると ヘリも空気が希薄で安定して飛べません。突風もふきます。

 おまけに、7000mを超えると デスゾーンに入り、遺体を降ろす以前に、自分が生きて帰れるか?が 最大課題となります。 それに、下山時の方が遥かに危険で、人を降ろすということは、100キロのおもりをぶら提げての下山となり、足をすくわれかねません。回収されることもありますが、殆ど、 山に置き去りになっています。

 

 エベレストの山頂付近に女性遺体があります。

これは、夫婦で登頂を目指した登山家ですが、奥さんの方が足の感覚を失くし登頂断念します。

仕方なく、亭主一人、山頂を極め帰って来るのですが、奥さんの足が凍傷にやられ下山不可能であることを知ります。絶望の余り男性は、崖から身を投じ自殺してしまいます。

残った、奥さんも低体温症でその夜 息を引き取ります。

 

 飛び降りるくらいなら、一か八か 二人で下山を試みたら? と 我々素人は思いますが、道の険しさを知っていれば とても 出来ないそうです。

 

 

 次にエベレストは 世界一高いので、これを極めたら全山制覇のように言われますが、実は、登山難易度でいうと、エベレストより 難しい山は 沢山あります。

エベレストを100とした場合、アンナプルナ南峰 450、K2 400、ナンガパルバット 350、ダウラギリ 200、マナスル 150 (因みに 富士山は 30 難易度ランク 405位です。) 




(アンナプルナ 右が南峰  正直 怖すぎる)

アンナプルナ は ネパールにある山で 高さは世界10位です。(8091m)

今まで130人が挑戦していますが、53人が死亡。 (致死率 40.80%) 何と 5人に2人は生きて帰れません。道標になってしまいます。

 1950年 63  モーリス エルゾーグ と ルイス ラチェナル が 無酸素で、北壁ルートで初挑戦、初登頂を 果たします。 モーリス エルゾーグ は、彼の経験を 『アンナプルナ』 という 本にし 1100万部の大ベストセラーになりました。 彼は、93歳の生涯を閉じるまで、政治家として大臣までした人です。

 

 ただ、彼は 山頂付近で 手袋を落し、凍傷で、手足の全指を失くしており 空港で出迎えた人々は、余りの凄まじさに思わず絶句したそうです。残酷な現実ですが、失ったものを無駄にしなかった彼の精神力に 私は拍手ですね。

 

全然関係ありませんが、子供が手袋を失くさないよう、紐でつながったもの あります。

どうして、指を失くすほどリスクがあるのに、首 両手袋を 一本のヒモで つながないのでしょうか?


 



(未踏峰の 怖さ)
実は、これだけでは ありません。

 

この上に 未踏峰といわれる 誰も登った事のない山が数多く存在します。つまり、挑戦者の殆どが命を落しています。ぞっとしますね。

 



(梅里雪山 さきが槍状になっています。)
 
 
梅里雪山  (メイリーシュエシャン, Meili Xueshan と 読みます。

1900年から、世界各国から 挑戦していますが、未だ未踏です。

1991年 京大山岳会と中国登山隊合同で アタックを試み 頂上まで270mに迫り、初登頂目前でしたが、雪崩が発生、17名全員死亡しました。

 それにしても、270mは、惜しい。残念です。

通常 登坂角度 40度と言うと そそり立つ壁の様で 人間も立つというより へばり付いている感じです。 この山は、写真でもお分かりのように、分度器をあてると 50度くらいあります。足場が一つでも崩れたら まっさかさまですね。

 

他にもカイラス山などがあり、1998年 日本の登山隊が行方不明になっています。見るからにロッククライミングばかりで登れない山です。

 
 
(カイラス これはもう死にに行くような!!)


Ueli Steck には、是非、未踏峰を悉く制覇して欲しいです。そうすれば 彼の名声は
永遠の伝説になるのに。


 

 

(Mt. クックに 話を戻します)

高さ、3724m 富士山より50m低いですが、 LAKE テイカポから見た、マウント クックの雄姿が 何故か気になり、7年も経ってから調べました。

(山頂でコーヒーなんて とんでもないことが分かりました。)

 

そんな事してたら、コーヒーカップどころか、命まで吹き飛ばされます。

登山難易度ですが、モンブランですら ランク 4 です。

(因みに 富士山は 2 です。) 

 

マウント クックは?、何と 7 です。(南米最高峰 アコンカグアより、難易度が高い事になります。) 2011年までに227名が亡くなっており FATALITY は エベレストより遥かに高いです。

 

毎年、何百人もの登山家が 挑戦しますが、処女登頂から10年の間 僅か2組しか 成功しておらず、途中で 断念 もしくは、行方不明になっています。

 

 もし、私が彼のサジェスチョンを 真に受け、ちょっと コーヒーブレークのつもりで MT.クックに登っていたら、今頃 裾野の底辺辺りで、遭難していたと思います。

 

道標というより、『こんな低いところで 死ぬなんて?!』と、お笑いになっていたかもしれません。



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【2014/03/04 05:27 】 | 紀行文(ワインを啜りながらお読み下さい。) | 有り難いご意見(0)
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