今回の旅で、価値観の崩壊とまで言うと大げさですが、自分が固く信じていた事が、ヨーロッパに行って随分ボロボロになりました。ちょっと、意外かもしれませんが、例えば英語です。
日本では、
「これからの時代、英語ができなればまともに人間になれない」という風潮があります。
世界を結ぶ言葉のパスポートの様に言われ、私も、そう信じ英語だけに人生をかけた人間です。
私が現在住んでいるオーストラリや仕事で良く行くNZは英語圏ですので「やはり、英語を勉強して良かった!」と、思っていました。
ところが、 ヨーロッパに行くと、確かに、オランダ(会話可能人口90%)、デンマーク(同86%)、スウエーデン(86%)等では、良く理解されます。道を聞いても快く応じてくれます。オランダでは頻繁に道を尋ねました。発音や表現は極めて怪しいですが、まあ流暢には話します。
それが、フランス、イタリア、ベルギー、スペインなどは厳しいです。(ローマはびっくりするほど通じませんでした。) 駅のインフォメーションや、ホテルのフロントでもないかぎり、全然通じません。
今回、私はスペインにはいけませんでしたが、スペインに行った人に聞くと、通じる言語が無く、相当辛いそうです。
良く、フランス人は意地で英語を喋らないと言います。分っているくせに知らんふりするということです。
歴史的にイギリスが侵略していない国はあまりありません。
英国とフランスの間に過去、何時終わるともしれなかった100年戦争などがありました。 (丁度、ジャンヌダルクは、その時代の伝説的ヒロインです。) その怨恨から、何時までも敵視することもあるかもしれないとおもっていました。
日本人でも、よく他の国の人に間違えられてムッとする人がいます。
私の丸紅時代の上司は、どうみても日本人には見えない人でした。
背も極端に小さく、私はピグミー族みたいだと思っていました。
それが、他の国の人に間違われると、
"No , No , I am Japanese"
なんて、口角泡を飛ばし必死の抗議をしていました。
西洋人でも
『ポーミー(イギリス人蔑称)や、アメ公と一緒にするな。!!』
、と言う感情があってしかるべきです。
つまり、「フランスに来たら、英語で話しかけるなよ」ということなのかなと思っていました。
案の定、話しかけても通じません。
それで、
「こいつ、しらばくれやがって」
とばかりに、執拗に英語で問い続けました。
でも、これは、ジェスチャーではなく本当にわかってないと、思いました。
というのは、意外とフランス人、親切です。
英語全然喋れないのに、身振り手振りで一生懸命教えてくれます。それに、英語が分らない事を申し訳ないと、多少赤面し、真剣に困った顔をしています。
南米に行くともっと顕著になります。
スペイン語が、我々の感覚で言う英語で、世界共通語の役割を果たしています。
正確に言うと、ブラジルだけポルトガル語で、他は全てスパニッシュです。面積から言うと、ブラジルはロシアを除く全ヨーロッパより大きいですから、かなりの部分はポルトガルという事になりますが、ポルトガル語とスペイン語は良く似ており、コミュニケーション上然程、問題がありません。
これは、私が適当に言っているのではなく東北大学でスペイン語を教えていたコロンビア人がそういうのですから間違いありません。彼女に言わせるとイタリア語も非常に似ているそうです。
ヨーロッパに行って感じた英語の位置づけですが、
「ドーバー海峡のかなたに押しやられた一言居士が話す特殊言語」
といったところです。
確かに、イギリスはGDPもドイツに迫り、追いつき追い抜く勢いで優等生に違いありません。ロンドン郊外で、巨大油田が発見されたという話もありますし、これからも発展するのだろうと思います。
それでも、ユーロへの通貨統合を拒否し、今後EUそのものから離脱する可能性まで取り沙汰されています。気骨はありますが、ギリシャなど弱い国に足を引っ張られてたまるか!!というところが、何ともイギリスらしいです。
ドバイはしかし、凄いですね。
次に、価値観が崩壊したのは、ドバイ、ヨーロッパ諸国の空港他、インフラの立派さです。
関西空港を楽しいと思っているのは私だけでしょうか?
私は、日本に帰り、その玄関口である関空に到着すると思わず誇らしくなります。
清潔で整然としています。
床も沢山の人の往来があるのにダメージがなくごみ一つ落ちていません。
入国審査もスムーズで、それでいてポイントはキチンと抑えています。それに、大阪を代表する飲食店が軒並み出店しており、空港で美味しい食事をし、散策するのも楽しみの一つです。
中でも、一番感動するのは無人電車です。
広いターミナルを結ぶのですが運転手も車掌もいません。客は「単にエレベーターが横になっているだけ」感覚で、順番に規則正しく乗り込み、混乱もありません。私は、外人がいると、わざわざ横に行って、彼等の会話を聞いています。
案の定、整然としている。とか、清潔だ。などと口々に驚いており、「どうや。お前らの国、こんな凄い技術無いやろ」と つい心の中で自慢しています。
日本での数週間の滞在を終え、オーストラリアに帰る時、私はいつも4時間くらい前から関空に行きます。特に国内線の一階にある、飯屋モドキは面白いです。
味は残念ながら余り美味しくありません。まあ、日本では珍しいまずさです。
私が大好きなポテトサラダでも、べチャべチャで妙に水っぽいです。でも、焼き鯖、焼き鳥、卵焼きなど家庭料理を自分の好きなだけ取り、国産ビールを飲みながら数週間の日本滞在の余韻に浸るのは一興です。
ブリスベンの空港も最近立派になり綺麗ですが、規模やハイテク技術、空港自体の持つオーラは何と持っても関空が世界1だと信じて疑いませんでした。
ところが、途中ドバイに給油のために立ち寄りました。
次のスキポール(オランダ)行きとの連絡が悪く5時間くらいあり、随分待ちぼうけをくらいました。
もう少し時間があれば、外に出て市内観光できたのに残念です。
ただ、暑いところに、海外からの旅行者でも、女性は肌や顔を出さない方がベターと言いますからちょっと、文化の違いに戸惑いますね。
ドバイは1970年からわずか数十年でGDPが一挙に30倍に膨れ上がった国です。
中でも、ドバイ空港は、アジア、アフリカ、ヨーロッパの中継点にあり、2014年にイギリスのヒースローを抜いて、世界一の旅客量となりました。空港就労人口が9万人、40万企業のビジネスが絡み、全GDPの30%となっています。
空港の中は清潔で綺麗です。ただ、デパート状態で人、人、人でごった返しています。滑走路も140エアーラインが乗り入れており、丸で飛行機の展示場です。一週間の発着数8000便 つまり一日 1000便以上です。電光掲示板なんて、巨大なものがぶら下がっています。
これ一応エレベーターですからね。
エレベーターも、120人乗りがあり家ごと上に上がる感じです。
私は、迷子になって同じエレベーターをあがったり下がったりしましたが、満員の時も家内と二人だけの時もありました。 流石に二人で乗るには、電気代勿体無いと思いました。
最近、インドネシアにも新国際空港が開港したそうですが、それを見てきた友人が、
「立派でした。関空にはもう少し拡張して頑張って欲しいですね。」と言ってました。
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